[歯を残したい]
ずっと根の治療(根管治療)をしているが症状が改善しない,根の先に膿があると言われ痛みがずっとある,他院で抜歯と判断された等で治療の見通しが立っていない方へ.
当院ではマイクロスコープとラバーダム防湿法による精査・根管治療に加え,通常の根管治療で症状・病態が改善しない場合には歯根端切除術・意図的再植・移植等の治療法を導入しております.
(※虫歯の深さや歯のひび割れ等の理由で上記処置が適応とならない場合があります.)
また,繰り返しの治療や虫歯,外傷による破折等により歯の長さが短くなり歯ぐきの中に埋もれてしまっていることが原因で保存が困難と診断される場合でも,根管治療後の《エクストルージョン法(歯根挺出法)》により歯を歯ぐきの上に引き上げ,保存・補綴(被せを再度つくりなおす)することが可能となる場合があります.
よく被せ物が取れる場合,原因は多岐にわたりますが,その原因の1つとしてご自身の歯が歯ぐきの中に埋もれてしまっていることが考えられます.同様の症状をお持ちの方は一度ご相談ください.
根管治療
歯の内部に根管という神経の通る管があります。その根管が感染,もしくは内部の神経の炎症が生じた場合に行う治療です。症例に応じて歯科用CT,マイクロスコープ,ラバーダム,ニッケルチタンファイルを使用します.
(※2024年4月現在,保険診療にて歯科用CT撮影・マイクロスコープ・ラバーダム防湿・ニッケルチタンファイルの適用が可能です.上記機材・処置をご希望の方はご相談ください.)
歯根端切除術
通常の根管治療を実施しても症状や病変の改善が認められない場合,歯肉を切開し直接根の先の病変(嚢胞)を切除・除去する方法です.通法に従った,被せ物を外してから行う根管治療が困難な場合に実施する場合もあります.
意図的再植
根管治療を行っても症状や病変が改善しない場合,一度抜歯して根の先の病変を切除後,もとの位置に戻す治療法です.歯に十分な強度が無い場合は割れるリスクがあります.
《自家歯牙移植》
抜歯した部位に,親知らずなどの機能していないご自身の歯を移植する方法です.流れとしては,上記処置(意図的再植)と類似した治療法になります.
エクストルージョン法(歯根挺出法)
歯ぐきの中に埋もれてしまった歯を引き上げ,歯の高さを確保することで抜歯を回避する治療法です.
被せ物をつくる歯が歯ぐきより下になっている場合には,被せ物の脱離や歯ぐきに炎症が生じるリスクが高くなりますが,そのリスクを回避することでご自身の歯を残していくことができます.
具体的には,該当する歯の両側に鉄棒の要領で針金を設置し,矯正治療で使用するゴムの収縮力を利用して歯ぐきの中から歯を引き上げていきます.個人差はありますが,1か月程度が期間の目安となります.
(※歯の挺出後に,歯ぐきと歯を支える骨の形態を調整する小手術が必要となる場合があります.)